店主よりのご挨拶
Greeting



私、猪飼和夫にとって、オイルショックの頃、骨董ブームがあり、骨董品店をのぞき購入したのがこの世界との出会いでした。

当時の仕事先で様々なお客様との出会いがあり、偶然買い求めたものが、大したものじゃないと思い込んでいたら意外に良いものだったという経験をし、骨董の世界にのめり込んでいきました。

しかし、ボーナスをはたいて買ったものが偽物だったり、「本ばかりを見て本物を見ずに買う馬鹿がいるか」と骨董屋の御主人に叱られ東京国立博物館まで足しげく通い勉強したりと自分なりの苦い経験もありました。

掘り出し物もあれば失敗もある、浮き沈みの大きなこの世界の魅力に強く惹かれ、趣味の好き者から、店を営む側となりました。

お店にお越し下されば、そんな若いころの失敗談も含め、様々なお話をさせて頂けるかと思います。

私が主に扱っている初荷(うぶに)には、店主がそれほど大したことはないと評価しているもの中にも、お客様の感性によっては思いがけない宝にも巡り合えることがあり得るのが骨董の面白さだと考えます。

骨董品は値があってないもの。店主のものさし・お客様のものさし、それぞれ違いがあるからこそ面白い。私はそう考えております。